激痛

いよいよ19時から手術。しかし心配だったのがクスリ。俺は朝8時、20時、寝る前の三回飲まなくてはいけない。ちょうど薬が飲めないのだ。薬の件を、消化器外科の先生が、俺の主治医に聞いたところ、薬は少し早くても大丈夫で、寝る前のも先に一緒に飲んでもいいとのことだったそうだ。その上、まあ2,3日クスリ飲まなくても〇〇先生大丈夫だと言ってたんで、心配ないとのこと。
心の中で俺は、えっ、そうなの?その程度では耐性ウイルスにならないの?今まで、飲み忘れで2,3時間ずれたことあって、その時なんて、相方に大騒ぎして、俺もう死ぬかもしれない、とか、言ってたのに。
まあけど少し気が楽になった。少しくらい飲む時間がずれても、心配ないことがわかった。けど飲み忘れが続けば、よくないと思うので、飲み忘れだけは注意しなきゃと思った。
19時予定の手術がが、前の手術が早く終わったとのことで、18時過ぎに手術室に呼ばれた。
そこで手術室の看護師と病棟看護師が手術室に入る前に、3人で大合唱。三人で俺の患者番号と、名前、手術名を確認のために言うのだ。手術初めての俺はかなり驚いた。当然俺本人にも名前とどんな手術をするのか先に確認はあった。
手術室にはいり、手術台に横になる。ドクターXのドラマを思い出した。手術室って本当にこうなんだと。麻酔科医のあいさつの後、手術着の下に、下着(パンツ)をはいているので、看護師に脱がされた。めくって脱がせるのではなくて、手術着に手を入れてみんなに見えないように脱がせてくれた。そのあと麻酔科医が今から麻酔をしていく説明をされた。説明の後、点滴の管から点滴以外の液体を注入。数秒後にふわっとした感じになり、
そのあとはもう覚えていない。
気が付いた時には、もう病室であった。まだぼーっとしている感じで、兄夫婦が看護師と何やら話をしていた。そのあと先生がきて手術の説明をしていた。盲腸が少し大きかったようで、二時間ちょっとかかったが、みたいなことをいっていた。
お腹がやはりちょっと痛い。
けどまだそんなめちゃくちゃ痛いわけではなかった。兄たち夫婦は同意書を書いて、まあ用事もないので帰っていった。でもその頃から何かお腹が少しずつ痛くなってきた。俺の中では腹腔鏡は痛くないはず。でも麻酔が少しずつ切れ、意識もしっかりしてくるごとにどんどん痛くなってる。看護師から痛み止めの点滴も入ってますよと説明してくれたが、本当に入ってるのかと疑うくらい。何せお腹に力が入らない。寝返りできない。微熱もあり体がだるい。俺の中では、何これ、腹腔鏡ってこんな痛いの。酸素も邪魔。もう嫌だ~
さらに朝方、俺にとってもっと最悪なというか、屈辱的な出来事があったのですが、それはまた後日に。

手術の準備

手術は、腹腔鏡手術でおこなわれる。最近はメスを入れず腹腔鏡が多いみたいだ。しかし大きければ取れないので、その時はメスを入れるとのこと。手術自体は一時間程度で終わる予定とのこと。手術室の予定で俺の手術は19時ころからの予定。
手術まで3時間あるので、家に帰って準備する予定にしていたが、結局手術のために、心電図をとったり、肺活量を調べたり、また手術一時間前から点滴をしなければならないようで、家に帰るのはあきらめ、売店で最低限必要なものを買うことにした。
会社に連絡。そのあと相方に連絡。相方もめちゃくちゃ驚いていた。一番最後に兄に連絡し、下着等(売店では高すぎて今すぐ必要なもの以外は買えない)お願いし、同意書も必要なので、仕事終わったら来てもらうことにした。本当は家族も同意書を書いてからの手術となるので、外来看護師がどうしましょうか?と先生に聞くと、「まあ本人がしていればいいでしょ」だって。まあ盲腸程度の手術だし、腹腔鏡なんてほとんど術後も痛みないだろうし、っと俺も気軽に考えていた。
〇〇さんお部屋は個室で一日3240円かかりますが、冷蔵庫も無料、テレビも無料で見られるお部屋です。よろしいですか?と聞かれ、即答で、はい、いいです。と答えた。だってめちゃくちゃお得。俺は福祉の仕事をしていて、病院にもよくいくので、いかにお得なお部屋かがわかっているから。
病棟に行き病棟看護師に引き継ぎ。家族のことや今飲んでるクスリのことまた、HIVのことは家族に知らせないでほしいことも。一通りの手続きが終わり、やはりあの儀式のために看護師がバリカンをもってやってきた。それもめちゃくちゃ若くて、かわいい女性看護師さんが。心の声で、なんでおばさんじゃないのって叫んだ。若い男でも反応するかもしれないの困るが、ゲイとは言えさすがに恥ずかしい。下の毛も白いものがたくさん混じってるし、それに俺、仮性包茎なので、下の毛は短めにカットしてるんです。(巻き込むから)
下着ずらしてもらえますか?全部おろさなくて大丈夫ですからっと、竿ぎりぎりまでパンツをずらしバリカンでカット。それ以上は剃らなかったのでとりあえず竿は見られずすんだ。
それが終わって点滴や手術着に着替え準備終了。手術はもちろん、全身麻酔は初めてで、ドキドキしながらその時を部屋でまった。

即入院

「今日入院になると思うよ。盲腸で結構大きいから、ちょっと前からなってたはずですよ。」主治医は血液内科だから、詳しくは消化器外科で診てもらってから、手術や入院の相談となった。
俺は驚きで、まさか入院、その上手術までするかもしれないなんて、マジどうしよーって感じで消化器外科の先生の診察をまった。でも今回の受診で一昨年の40度の熱の原因がわかったのはよかった。一時間まってようやく診察。
画像を見た先生は、「この大きさなら、今日緊急手術した方がいいですね。」っとさらっと言われた。 俺は私は独身で、父も高齢だし、兄弟も仕事で入院準備するにも今すぐ来てくれる人もいないし、今は昨日ほど痛くないので、明日じゃダメですか?っと聞いてみた。
先生はやさしい口調で、ん~できたら早いほうがいいですよ。夜の間に悪化して癒着でもしたらそれこそ大変なことになるかもしれません。と言われた。
そういわれたら、もう即入院、緊急手術するしかない。でもその前に先生にHIVということも伝えた。そこの情報は先生診ていなかったららしく、パソコンカルテで確認していた。
先生は、「そうなんですね。輸血とかしてないの?」っと聞かれた。俺は、もう今更何聞いてるの?カルテみりゃわかるだろ、っと思いながら、いや輸血なんてしたことないですよ。服薬も始まっているし、薬の副作用とか大丈夫ですかね?っと話を変えて質問。
そのあたりは、O先生に確認してみますから心配ないです、と答えてくれた。
あと一番大事な事は、俺がHIVキャリアってことは、兄弟には言ってないので、説明の際は言わないでほしいことを伝えた。先生、外来の看護師さんも了解してくれ、入院、手術の準備に入った。